Tokyo Academic Review of Booksonline journal / powered by Yamanami Books / ISSN:2435-5712

2021年5月15日

Edward Barsley, Retrofitting for Flood Resilience: A Guide to Building & Community Design

RIBA Publishing,2019年

評者:中野 卓

Tokyo Academic Review of Books, vol.18 (2021); https://doi.org/10.52509/tarb0018

本書は、建築・地区レベルでの水害対策の取組み方法をビジュアルに整理した、実用性の高い書籍である。ただ、その内容を読み解いていく前に、まず我が国の水害対策を取り巻く状況について解説しておきたい。長い前置きとなるが、異分野の人と前提知識を共有する為にもお付き合い願いたい。

背景:「河川の治水インフラだけで水害に対応するのには限界がある」

我が国では昨今、集中豪雨等の影響で河川氾濫を原因とする水害が頻発・激甚化している。直近でも、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)や令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨は主要河川および下水道の氾濫を引き起こし、日本全国に大きな傷跡を残した。こうした中で、昨今は「水害に強い地域づくり」が注目され、国土交通省の「水災害対策とまちづくりの連携のあり方」検討会(2020)や、土木学会(2020)、日本建築学会(2020)、日本学術会議(2020)等の学術団体から次々に関連した提言が発表されているのだが、これらにはある認識が通底している。それは「河川の治水インフラだけで水害に対応するのには限界がある」(日本建築学会 2020)ということだ。

この背景には、大きく2つの要因が存在する。第1に、気候変動による不確実性の増大である。気象庁によると、1時間降水量50mmを超える短時間豪雨の発生回数は増加傾向にあり、近年は雨の降り方が変わってきているという。九州地方に大きな被害をもたらした令和2年7月豪雨では、降水量の観測史上1位を更新した地点も多くあった(気象庁2020)。ただし、一年間の総降水量が増えているのではなく、極端な降雨と、極端な少雨が増加し、不確実性が従前より増大しているものと考えられる。

このことは第2の要因、すなわち既存対策の限界にも関係する。河川災害に対する従来の備えは、主に堤防の強化や浚渫、河道拡幅等の河川整備・改修、治水ダムの建設によるものが中心であった。「これらを適切に整備すれば、水害を防ぐことは出来たはず…」と、災害報道を目にする度、そう考える人も多いだろう。しかし、実際には河川整備計画の水準を上回る洪水が増えてきていることが、国土交通省の「気候変動を踏まえた治水計画のあり方検討会」でも報告されており、計画通りに河川を整備しても防げない水害の存在を示唆している。また、堤防の嵩上げも、河道内に水を貯め込む為、破堤時の被害をかえって増大させたり、内水(堤防で守られた内側、つまり市街地等に降る雨)の排水を難しくしたりする等の別問題を生じる可能性がある。そもそも堤防強化は河川付近に新たな土地を必要とし、場合によっては住民の立ち退き等を要することから、合意形成には長期間を要する。仮に1箇所の堤防を高くしたとしても、そこで氾濫しなかった水は下流の別の地点に集中する為、他地域の被害リスクを相対的に高めてしまう可能性(いわゆる「上下流問題」を含む)もある。

このように、河川の整備・改修による水害対策の課題は、挙げ続けるとキリがない。ましてや気候変動に対応して全ての堤防を強化することは、途方もなく大きな労力と費用を要することが予想されるのである。

この一方、筆者が専門とする都市計画分野では近年、河川が氾濫した場合に浸水する可能性のある地域を示した「(洪水)浸水想定区域」を活用し、まちづくりの観点から減災を図る取組みが拡がっている。この浸水想定区域は、2001年の水防法改正に伴い、避難誘導の円滑化の為に導入された新しい制度である。ただし、稲作文化である日本では元々低平地に市街地が形成されており、浸水想定区域を土地利用の規制・誘導の参考とするには未だ課題が多いことも確かである。筆者らの研究結果に拠ると、人口集中地区(DID)の4割近くが浸水想定区域に含まれていると考えられ(中野ら 2020)、極端な例だと、市街地全域が浸水想定区域に含まれる自治体もある。

なお、浸水想定区域はその計算に必要なデータを得られる大河川のみを対象に作成されており、中小河川では作成が進んでいない為、いわゆる「リスク空白地域」が数多く存在すると考えられる。また、リスク空白地域の悩みとは逆に、水害リスクは河川氾濫だけでなく、津波や高潮、内水氾濫(下水道からの氾濫)、ため池の決壊もあり、それぞれ別個に浸水想定区域図が作成されている為、それらを全て組み合わせると広大な地域が水害リスクに晒されていると判定されてしまう課題もある。最近耳にする「水害リスクのある地域に人を住まわせるべきでない!」との意見は確かに正論であろう。ただ、それが如何に実現困難であるか(そもそも、水害リスクのない地域がどれほど存在するのか?)、頭を悩ませる自治体関係者も多いと推察する。

ここまでの話からも分かる通り、「河川の治水インフラだけで水害に対応するのには限界がある」ことは疑いようもない。さりとて浸水リスクのある地域から全ての居住地を撤退することも難しい。では、相次ぐ洪水被害からどのように人命・財産を守っていくべきか。この問いに対して、筆者の専門とする建築・都市計画分野で注目されつつあるのが、冒頭で述べた「水害に強い地域づくり」である。より具体的には、①建築物等にそもそも水を入れない対策(Dry floodproofing)と、②浸水した場合でもより容易且つ早期、安価に復旧できる対策(Wet floodproofing)の2つに整理されるが、今回取り上げたRetrofitting for Flood Resilienceは、この2つの手法を分かりやすく示した良書なのだ。

本書の内容

本書は、RIBA(王立英国建築家協会)の出版部から発刊された、一般読者から専門職まで幅広い読者層向けの解説書の性格を有する書籍で、著者のエドワード・バースレー氏は、The Environmental Design Studioを主宰する建築環境デザイナーである。本書は、オリジナルのイラスト約300点を掲載した6章で構成される。前半1~3章では洪水のリスクを知る方法を、後半4~6章では建物・市街地・流域等様々なレベルでの具体的対策を描いている。膨大なイラストと知見に基づき描かれる本書の全ての内容をここで説明することは適わないので、具体的な水害対策の詳細は書籍に譲るとして、各章の要約に努めたい。

1章では、導入として、近年の水害被害に関する見取り図が描かれる。地球温暖化と海面上昇による気象災害の増加はGDPの約5%に達する経済的被害をもたらすと推測され、仮に温室効果ガスの削減が進んだとしても即座に気候変動が改善に向かうわけでない為、建物環境(built environment)や地域コミュニティで水害に対する備えを進める必要があると著者は指摘する。水害がもたらす具体的な被害としては、人命・建物被害、車や家具等の動産被害、水が引いた後のごみや悪臭、強盗の発生、原状回復に要する期間・労力等、様々なリスクが挙げられる。水害対策を講じることは、上記被害の軽減のみならず、生活復旧に要する資源の節約にも繋がり、レジリエンスの観点からも幅広い利益が期待されることから、水害のメカニズムを理解し、その特徴やスケールに応じて対策が必要だと述べられる。

この整理を受けて、2章では、洪水を11種類に分類し、それぞれの原因と生じる課題、適応戦略が示される。日本では河川工学と海岸工学という分野の違いもあり、海面上昇と津波、高潮、河川洪水を「洪水」と一括りにする本書のような整理はあまり見かけないが、気候変動により増大するという観点では共通点がある。洪水に伴う被害として、土砂崩れ、(台風の場合)強風による電力網の破壊、海水面上昇による飲料水への塩分流入が挙げられる。

3章では、洪水リスクを知る為の方法が多数紹介される。リスクは「ハザード(Hazard)」「曝露(exposure)」「脆弱性(vulnerability)」の3つで構成される関数として理解されるが、洪水の「ハザード」としての側面を見ると、建築物への構造的被害(圧力、浸透、洗堀、浮力、流水や漂流物による破壊)や化学製品の流出による汚染、電力網の破壊があり、概ね洪水の浸水深と流速の2乗に比例して被害が大きくなると考えられる。「曝露」については、その地域が被害を受ける確率と、ハザードの観点からみた立地性が重要である。すなわち、曝露を低減する為には被災確率を下げる、またはハザードの小さいエリアへ移動する、といった対策を採ることになるが、著者はこの対策方針を①リスクの減衰(Attenuate)、②分散・緩和(Alleviate)、③リスクに強い環境づくり(Create)、④再配置(Realign)、⑤浸水の制限 (Restrict)、⑥共存(Embrace)の6つに整理している。最後の「脆弱性」では、環境の変化に対して適応可能であることが重要とされる。一例として、本書ではNational Planning Policy Frameworkという、イギリス国内の浸水リスクのある地域での(建築等行為を含む)開発行為の適格性を審査する制度が挙げられているが、そうした制度を正しく運用する為には、詳細な洪水リスク情報を調査・提供(Flood Risk Assessment)することも重要だと指摘される。

後半の4~6章は、リスクに対する具体的な対策を示した章である。

4章では、集水域全体(Catchment)やコミュニティレベル、すなわち広域での水害対応に関する方法論を述べている。著者はまず「Source-Pathway-Receptor」モデルを示し、水害発生の仕組みをこの3つに分解して理解することで、有効な対策を導くことを勧める。例えば、Source(要因)に該当する例には海面レベルの上昇が挙げられ、その対策としては温室効果ガスの排出抑制や地下水位の上昇を抑えることが考えられる。Pathway(被害経路)には、例えばアスファルト等の人工地が増加することで雨水浸透が阻害され、河川等に流入する水の量が増えることが挙げられる。この場合、雨水の流出量を抑制する為の一次的な貯留施設(ため池、調整池等)が対策の1つとなろう。Receptor(影響を受けるヒト、モノ)には人命のみならず、動産や建物等の不動産も含まれる。対策として、低リスク地域への開発誘導や、水害に強い建築物とすること等が必要となる。このように水害対策の対象と方法論を分類した上で、筆者は3章で紹介したAttenuate, Alleviate, Create, Realign, Restrict, Embraceの6つの戦略に基づき、リスクマネジメントの方法論を展開する。具体的な手法は、土木構造物による対応からグリーンインフラ(自然環境を利用して環境向上や防災・減災を図るもの)に至るまで、降雨を貯留・浸透させて被害軽減を図り、海面上昇に対応する様々なアイデアが仕組み・断面図と共に100頁以上に渡って紹介される。その全てを紹介すると紙幅が幾らあっても足りないので、詳細については、ぜひ書籍をご覧頂きたい。

続く5章では、イギリスで一般的な住居形態の1つである石造の戸建て住宅を中心に、建築物レベルのスケールで水害対策が検討される。洪水は壁の隙間や配管と壁の間隙、空気孔、床下、トイレ等からの逆流、扉といった少しの隙間でも十分に浸水経路となり得る。対策としては、Avoidance(被害の垂直的、水平的回避)かFlood resistance(dry-proofing:水を侵入させない)、Flood recoverability(wet-proofing:水を侵入させたうえで、原状回復を容易・迅速化する)の3つが基本である。Avoidanceに当たる「嵩上げ」や、Flood resistanceに当たる「止水板」「水嚢」等の対策は日本でも広く知られているが、Flood recoverabilityは十分に認知されていない方法論であろう。本書では、建物内に洪水が侵入したときにどのような事が生じるか、キッチンやガレージ、リビング等を想定した上で具体的に被害の状況をイラストとして描く。その上で、例えば荷物棚を上方に設置する、机の上に椅子を上げるといった僅かな対策でも、モノが水に流されて窓等を破損する恐れが無くなる為、復旧時に大きな効果を得ることが出来ると説明する。この他にも、東南アジアやシアトルで見られる洪水時に住宅を浮上させるアイデアを含め、多様な対策方法が紹介されている。

最後の6章では、ここまで説明した対策を実現する為の方法と留意点がまとめられるが、この中で筆者は、水害への適応を阻害する主な要因に「改善指向(betterment)の欠如」を挙げる。建物が浸水した際には「現状復旧」が原則であったり、被害に遭っても「これは一生に一度の出来事だ」とレッテルを貼って、脆弱性を軽視しがちであったりする。また、対策の資金調達には費用便益の証明が必要だが、現状では水害への適応策を評価するシステムが乏しいことも障壁となり、状況の改善が阻まれてしまうのである。こうした中で対策を進めるには、リスクの共有とレジリエンスに対する評価システムの整備が重要となる。前者は、例えば3DやAR、VRを利用したリスクの視覚化が可能であり、後者には、建物等の洪水耐性を評価することで保険料の割引を行う制度等が挙げられる。本書で紹介されたこれら水害対策は、工学、建築学、地理学、生態学、社会学等の多様な分野の横断的な協力関係の構築が不可欠であり、垣根を超えたアイデアの共有も大切である。

コメント:日本の水害対策への適用を考える

水害は今や、日本に住む誰にとっても身近な話題であり、また今後、気候変動に伴いその脅威は増大していくことだろう。土木分野任せの治水のあり方を改め、社会全体でその被害軽減や復旧・復興のあり方を模索していくことが、今の私たちに突き付けられた課題である。その点で、本書は、極めて多面的な視点から対策が紹介されると共に膨大なイラストが掲載され、水害対策の初学者にとっても理解しやすい専門書だと評価される。ただし、日本の水害対策に本書で述べられた手法を適用する際には、考慮すべき点も少なくない。

第1に、地形的な差に起因する水害の性質の違いが挙げられる。構造平野に形成された欧州の市街地に対して、日本の場合には、先述の通り、市街地の多くが河川近傍の低平地に形成されている。市街地よりも河床の標高が高い「天井川」も日本には多く、大部分の地域の安全性は堤防によって担保されていると言って差し支えないだろう。また、日本は国土が狭く山から市街地までの距離が短い為、河川の勾配が急である。流速の速い洪水が生じる為、一度破堤すれば急流が市街地に押し寄せると共に、大量の土砂が流入して復旧・復興の妨げになる。こうした水害の性質の差は、建築物の水害対策を考える際に重要な観点である。堤防に守られ、比較的安全性の高い(しかし内水氾濫の多い)下流域の大都市と、堤防整備が十分でなく外水氾濫の起きやすい地方市街地とでは、想定する洪水の状況と、その為の対策も当然異なってくることだろう。

第2に、家のつくりの違いがある。日本の戸建て住宅の多くは木造であり、浸水時に木材等が吸水してしまう。水が引いた後に床・壁を剥がした上で、1カ月~数カ月程度の十分な乾燥期間を設けないと、カビが発生し、居住者に健康被害をもたらす懸念がある。また、梅雨の長い我が国では、季節によって湿度や降雨の多寡が異なり、乾燥に要する時間も左右される。このように日本特有の住宅事情も、洪水災害の対策時には重要な変数となるのである。

第3に、地震等の他災害への配慮が求められる。例えば、Flood recoverabilityの向上には生活棚の上方設置により、家財を浸水から守るのが望ましいことは確かだが、これは同時に、地震が起きた際に頭上から大量のモノが落ちてくる危険性を増大させることを意味する。あちらを立てればこちらが立たぬ、なんとも解決の難しい問題であるが、今後は耐震性や耐風性と、耐水性の兼ね合いの検討も重要な問題となろう。なお、これについては昨今、我が国の大学や国立研究機関、民間企業等で水害に強い住宅の研究開発が進んでおり、今後その普及や更なる性能向上が期待されるところである。

第4に、水害対策と街並みとの調和の問題がある。良好な街並みを重視した低層住宅地では、街並みを守る為に高さ制限等のルールを課す場合がある。一方で、水害は下から順に被害を生じる為、被害抑制の為には高床化や嵩上げ等、建物の位置を高くすることが効果的であり、先の高さ制限とは正反対のベクトルである。また、単純に水害対策を突き詰めれば、1階がピロティとなったマンションだらけの市街地が最も安全性が高いと考えられるが、本当にそれで良いものだろうか。

筆者のバースレー氏は、本書の締めくくりに「水害対策はその敷地の特性に応じたものでなければならない(when designing for flood resilience, strategies must be site-specific)」と述べている。読者である私たちは本書の知見を活かしつつも、日本の地域事情にあった方向性を考え、共にその答えを見出していくべきだろう。

文献案内

欧米諸国と比べて、建築・都市計画分野の水害対策に関する日本の専門文献は、とにかく少ない。地震、火災、台風、雪害等日本の自然災害の多様さゆえ、防災上の優先順位が相対的に低かったことや、その他災害と異なり、水害は土木分野での対策が基本と考えられていたことから議論が進まなかったこと等がその理由だと想像される。しかし、こうした中でも、近年は幾つかの切り口で水害対策をテーマとした文献が発刊されつつある。

建築分野では、桑村仁著『建築水理学 -水害対策の知識-』(技報堂出版、2017年)が代表的な書籍として挙げられる。本書は、水理学の知見を踏まえて建築構造的な観点から水害対策を検討した書籍である。氾濫流による建築物への荷重等、専門的な内容である為、建築構造分野以外の初学者には難しいと思われるが、ここで挙げておきたい。また、浸水した住宅の復旧作業の具体的な段取りや各種手続きについては、震災がつなぐ全国ネットワーク編『水害にあったときに -浸水被害からの生活再建の手引き-』や、各地の建築士会が公開するマニュアル(例えば、徳島建築士会『風水害等による被災住宅復旧マニュアル』)が参考になる。被災地の活動で蓄積した知見に基づき、わかりやすく整理されたマニュアルである。いずれもWebサイトよりダウンロード可能なので、ぜひご覧頂きたい。

都市計画分野では、河川水害対応に特化した議論自体が未だそれほど盛んではないものの、例えば、近藤民代著『米国の巨大水害と住宅復興: ハリケーン・カトリーナ後の政策と実践』(日本経済評論社、2020年)では、綿密なフィールドワークと文献調査に基づき、水害後の復旧過程における住宅計画や都市のリスク軽減のあり方が幅広く取り纏められている。被害地域の所得格差や人種構成が復興過程に及ぼす影響にも言及されており、大変興味深い。その他、前述の「リスクの減衰(Attenuate)」に関わる概念として、近年の我が国では「グリーンインフラ」が注目されている。グリーンインフラに関しては、既に国内で書籍も多く刊行されている為、ここでは特別に挙げない。興味のある方はぜひ、書籍を検索されたい。

謝辞

本稿の執筆に当たり、(国研)建築研究所主席研究監の木内望氏に助言を賜りました。ここに記して謝意を表します。なお、本稿は筆者が建築研究所在籍時に執筆したものです。論説中に示した見解は筆者個人に属するもので、前・現所属先を代表するものではありません。

参考文献

出版元公式ウェブサイト

RIBA出版

https://www.ribabooks.com/Retrofitting-for-Flood-Resilience-A-Guide-to-Building-Community-Design_9781859467343

評者情報

中野 卓(なかの たく)

国立研究開発法人建築研究所 住宅・都市研究グループ客員研究員。2013年一橋大学社会学部卒、2018年東京大学大学院新領域創成科学研究科を修了。博士(環境学)。東京大学日立東大ラボ特任研究員、建築研究所研究員を経て、2021年より国土交通省住宅局住宅政策課係長。同年より建築研究所客員研究員を併任。専門は都市計画学で、近年は特に、商業地域内の住環境向上に向けた建築規制・誘導・マネジメント、水害リスクを考慮した建築・土地利用のあり方の2つを研究テーマとする。2019年都市住宅学会博士論文部門優秀賞、2020年都市計画学会年間優秀論文賞を受賞。主な著作に、『ストリートデザイン・マネジメント』(共編著, 学芸出版社, 2019年),『Society 5.0 -人間中心の超スマート社会-』(共著, 日本経済新聞版出版社, 2018年)がある。

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